経営計画とは、企業がその将来に向かって、経営ビジョンや目標を達成するために必要な計画のことを広く指します。経営計画は、長期経営計画(10年程度)、中期経営計画(3~5年)、短期経営計画(1年)等に区分することができます。(TKC全国会創業・経営革新支援委員会 編著「後継者塾テキスト 会社を発展させる経営者になるために」より)
中小企業においては経営計画をそれほど難しく考える必要はありません。社長が漠然と描く夢を、具体的な形として目標に変え、数値に落として、社員全員で実行していけるようにするための道具だと思って結構です。いわば『社長の夢に「日付」と「金額」を入れること』と言ってもよいでしょう。
ともすれば、経営計画書をつくるまでにたいへんな労力と時間とお金をかけて、一旦できあがってしまうと棚の中にしまわれ、使うときは銀行融資の際と翌年に再度計画書を作成するときだけという状況になりがちです。しかし、それは経営計画の真の目的がわかっていないのと、経営計画を的確にサポートする参謀がいないために起こる誤った状況です。すばらしい業績を継続してあげている会社には例外なく経営計画が存在し、全社員が会社のビジョンを共有しています。経営計画は大企業だけのものではありません。中小企業においても、成り行き経営をやめて、継続的な黒字会社をつくるために、常に「明日」を見て「計画」することが大切なのです。
- 1.経営計画書を作成するプロセスにおいて、社長が目指すビジョンを明確にし、
- 2.発表することによって全社員が社長の思いを共有し、
- 3.定期的に見直すことによって、現状とのギャップを把握し今後の経営に活かす
これによって、会社のビジョンの達成、継続的な黒字経営の実現 を可能にします。
経営計画の主目的は、目標の達成ですが、付随的効果として以下のことがあげられます。
- 1.社長および幹部が会社の数字に強くなる
- 2.社員が目的に向かって一丸となり生産性があがる
- 3.社内のコミュニケーションが高まり組織の活性化につながる
- 4.会社の長所(優位性)・短所(将来の課題)が明確になる
- 5.銀行等に対し信用力が増し融資が受けられやすくなる